ここではぼくが和名をつけたきのこを紹介します。和名というのは日本で呼ばれている名前で、世界共通の名前ではないです。(世界共通の名前は学名です)
ぼくが発見したきのこで、菌学者の先生とも相談して、未確認種ではないかと予想されるきのこに、仮の名前(仮称)をつけています。
すべてまだ仮称ですが、特にミナミホホタケは先生により今年の10月に新種発表される予定のきのこです。他のきのこも新種候補です。
沖縄県西表島の林内リュウキュウマツ朽木上に散生~群生。(3~4月)
高橋春樹先生の「八重山諸島のきのこ」でも紹介されています。
今年の10月に先生により新種発表予定です。
傘表面がすべすべしていて、細かい小鱗片が産毛の様で、子どもの頬に似ている事と、南の島に発生していて、少し日焼けしたような色をしている事から、「ミナミホホタケ」と名付けました。胞子は楕円形~広楕円形です。撮影日は2012年4月1日です。
兵庫県神戸市のアラカシ・モミ林の崖上に発生。(7月)
イエローベースに傘の表面も編み目状の柄の表面も炭で塗ったような色をしていて、形態がヤシャイグチに似ているので名前をつけました。胞子は紡錘型です。ヤシャイグチ属の可能性が高いようです。観察年は2013年です。
追記 2014.8.9 ,スミヌリヤシャイグチはオオヤシャイグチAustroboletus subvirensの変異型もあるようです。現在DNA解析を行っている最中なのでDNA解析結果が出たらオオヤシャイグチとスミヌリヤシャイグチの同一性が判明されると思います。
沖縄県西表島の森林ギランイヌビワの枯れ木(立木)に発生(6月)
傘の表面が黄金色で、株状に発生しているカワキタケの仲間と言う所から、名前をつけましたが、結構大型で見つけるとありがたく、裕福な感じがするところからもイメージしました。味はブナシメジのような旨味があります。シロコカワキタケと同一種の可能性もありますが傘表面の色が異なります。観察年は2013年です。
追記 2014.8.9, 後日、ITS領域によるDNA解析の結果、シロコカワキタケPleurotus tuber-regiumと一致しましたが、LSUと呼ばれる別の領
域を組み合わせて解析をやり直す必要があるようです。
沖縄県西表島の森林(サガリバナ湿地)地上に発生(6月)
ヒメコナカブリツルタケにそっくりですが、DNA鑑定結果が異なりました。どの種類にも当てはまらないので新種の可能性が高いそうです。ヒメコナカブリツルタケよりやや細っそりとしています。観察年は2013年です。
沖縄県西表島林内コミノクロツグ材上(11月)
一見ラッシタケの仲間の様で、縁取りがあります。しかし完璧にラッシタケの典型的に管孔ではなく、アミヒダ状でみかんの皮の様な色と雰囲気なのでこの名前にしました。観察年は2013年です。
追記 後日の検鏡の結果胞子が広壁で錆色で外皮に覆われるため広義のキシメジ科ではなくケコガサタケ属又はサビイロヒダフウリンタケ(仮称)が属するPleuroflammula属も可能性があります。
追記2014.8.9, 後日、ITS領域によるDNA解析の結果、BLAST検索しても一致するものはなく、これだけではどの仲間か判断しかねるとのことです。LSUと呼ばれる別の領域を組み合わせて解析をやり直す必要があるようです。親属新種の可能性もあるのかと思います。
沖縄県西表島林内サガリバナ材上(6~11月)
ミドリスギタケに似ていますが、ツバを欠くことと青変する事が異なります。味は苦いです。海外(北米東部)に似た幻覚性毒きのこGymnopilus luteoviridisが分布していて、それと同種かもしれません。少なくとも日本新産種です。観察年は2013年です。
追記 後日検鏡の結果胞子の大きさと側の表面組シスチジアの形状がGymnopilus luteoviridisと一致しました。確実な同定には傘と柄の表皮組織を確認しないと分からないらしいですが、Gymnopilus luteoviridisと同一種の可能性もあるようです。
沖縄県石垣島ヤエヤマヤシ林内地上(6月)
沖縄県石垣島の林内クワズイモ材上に発生。
沖縄県西表島の林内ツルアダン、コミノクロツグ材上に発生(6~11月)
沖縄県石垣島の林内タイワンシロアリの巣の菌床に発生?(6月)